硫黄島からの手紙

いかんなあと思いながら、シチュエーションで涙チョチョ切れてしまった。日本人としてでなく、アメリカ人として見たら衝撃を受けてたかもねえ。「英雄」として描かれない栗林ってのは良いっすね。軍事的に見ると硫黄島での栗林も戦った兵士も凄いし尊敬するんだけど、個々のヒトとして見るともう表現する言葉が無くなるというか。徹底的に兵士を戦わせたという点では、栗林も残酷だと思うんだよね。それでこそリアリストだし軍人なんだけど。倒れていった兵士も総体としてみると凄いと思うけれど、個々人の無念さを思うとどうしようもない悲しさを感じてしまうんだよねえ。で、その想像がシチュエーションだけで発動されて涙腺緩みまくり。出てきたときは目が腫れまくってて参った。
そうした一つ一つのシチュエーションには涙が発動されるんだけど、戦闘シーン(というか移動シーン)には冗長性を感じた。生死をかけて戦ってるのに胸に迫ってこないのは何なんだろうな。胸に迫ってこないどころか逆に無情さすら感じなくて、無感情にただ長いとしか思えなかったなあ。
感想としては「見に行って良かった」と本当に思う。ただ「硫黄島」の戦闘そのものを描いてるわけでないのは注意かな。クリント・イーストウッドの目的は「硫黄島」そのものを描くことではないとは思うんだけど、「硫黄島」そのものも見たいね。