20090616晴れ

アルカイダ ビンラディンと国際テロ・ネットワーク」Jason Burke (原著), 坂井 定雄 (翻訳), 伊藤 力司 (翻訳)
読了。
図書館で借りて読んだんだけど、これは素晴らしかった。反政府組織や過激派が主として語られており、一般のムスリム社会がわかるものではないけれど、東南アジアからアフリカまでの凡イスラムから見たマクロの視点や、各国事情などのミクロの視点、そして、それぞれの歴史的経緯や組織や思考の発展具合や共通性までが詳細に分かりやすく書いてある。パレスチナや中東・エジプトの活動家が対象の本も幾つも読んだことがあるけれど、その中でもピカイチ。なかでもムスリム社会の広がりと歴史的な部分に関しては、これまで「知りたいな」と思ってきた断片的な部分すっと繋がって、自分がこれまで持っていた疑問も半分ぐらい氷解した。読んでて久しぶりにドキドキしたドキュメンタリ。まあ、読みやすいということはどこかで単純化はしてあるんだろうし流れが綺麗すぎるきらいはあるものの、それを割り引いて考えても得る価値の大きな本だった。この著作の中で語られるもののほとんどは自分が生きている時代のことであるが、まさに目から鱗、今まで何も見てなかったんだなと思ったな。1994年に出てるから5年前の本か。5年間も何やってたんだろ、おれ。まあ、題名が題名だから、ベタな本と思って読んでなかったんだな。こういうところが自分の駄目なところだな。5年前の著作だが、現代ムスリムを知るには、某山内先生の本読んだり話し聞いたりするよりこっちの方が良いな、とか思った。歴史的経緯は除いてね。