20090929 曇りのち雨

ここ数日、暑い日が続いていた。起きたときに寝汗を首筋に感じるくらいの暑さ。
朝、いつも通りの通勤。今朝は早朝に一雨来ていたのだけど、それでも自転車をこいでいるとじんわりと汗が浮かぶ。曇天の湿気が、かえって暑さを引き立てる。会社に着いてからもしばらくは汗がひかない。未だ手放せぬ紙団扇。
夜半帰宅の途に着く。すっかり夜になり、闇は全天を覆っている。雲も厚く、星すら見えない。しとしとと降るのは冷たい雨。朝とは一転。雨に濡れ凍えながらの帰宅。でもなぜか心地良い。思わず「このまま雨に打たれて行こうー」と、歌を口ずさみながら自転車をこいでいた。
ヘッドライトビームを放ちながら続く車列を、マイチャリですっと過ぎる。車のそれに比べると弱すぎる自転車のライトだが、ハンドルに合わせ右に左に光をまき散らすのが綺麗だ。自転車のタイヤでかき分ける足元のちいさな水たまりでさえも、一瞬のその淡い光で彩られて美しい。
合羽も何も持っていなかったので、帰り着くと服も鞄もビシャビシャ。濡れながら帰るのは実に楽しいけれど、それは家に着くまでのこと。玄関を入ると途端に、張り付く服の感触も、雨と整髪料が混ざった髪も、気持ち悪く感じてしまう。瞬間、あわれな濡れ鼠と化す自分が惨め。
早々に熱いシャワーを浴びて気分をすっきり。空気はちょっと湿気てるけど、久しぶりに涼しい秋の夜風に吹かれ、肌に滲んだ汗を飛ばす。秋の夜長とは言うけれど、この心地よさではすぐに惰眠を貪ってしまうだろう。始まったばかりのはずの夜はすぐに深けていく。