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井上靖「天平の甍」(新潮文庫)

井上靖の歴史物。今自分の中で古墳時代〜平安初期ぐらいが興味があって、その延長での読書。色んな人物を人として肉付けして見られるのが小説の強みで、その時代の雰囲気とともに大変楽しく読むことが出来た。唐土の描写もあるしね。ストーリーとしてはちょっと物足りなくも感じられるけれど、そこはしょうがないか。ひたすらに教典を写して日本へ伝えようとする業行が印象的。主人公が見る、その後の大写経時代を彷彿とさせる夢がその先に繋がるかと思うと胸が熱い。
この本を読んで、戒を受けることの持つ意味をふつふつと考えた。葬式仏教のその先の時代だからこそ、考えるものがある。