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アクティブハカタプロデュース公演 vol.99 児童劇団ぽっとぽっけアトリエ新人公演「ブレーメンの音楽隊」


2日目7月24日の3公演を観劇。11時の回と、15時の回と、18時の回。場所はお馴染みアクティブハカタ地下スタジオ。客席は、前方に座椅子が10席×2列、広報は段差を付けた椅子席が8席×4列。合わせて50席強。11時の回は空席がちらほらあったが、15時の回と18時の回はほぼ満席。
開始前には、今回出演者たちのお姉さんメンバーである松浦みる、秋山美穂、四宮なぎさらが前説等を行っていました。
今回は「新人公演」ということで、ぽっとぽっけメンバーとしては初めて見るメンバー。ただ、多くのメンバーは、昨年の8月に行われた「アクティス夏期公演」にも出演していたので、見覚えがありました。
役は3つに別れています。
1つはブレーメンへ向かう動物たち。高齢のために人間たちに役立たずと言われ、追い出されたロバ・犬・猫・ニワトリの4匹。序盤ではその悲しさをどう表現するか、そして旅立ちまでの決意と、旅の辛さを表現するところ、これらが見せ場かなと思います。
2つめは、ピエロたち。狂言まわしとして、あるいはその立ち振る舞いで、舞台のイメージを膨らませたりします。アクティブハカタの公演では「ピエロ人形の詩」でも同じようなピエロの使い方をしていましたね。また、一番最初に出てくるモチーフとしての演出は、昨年の「すみれ島」にも通じるアクティブハカタお得意の演出なのかなとか思ったり。
3つめはドロボーたち。3人の男の子たちが演じるのですが、パワフル。彼らの登場により場面は大きく変わり、舞台の幅を広げていました。また、客も彼らに引き込まれていましたね。悪役の使い方で言えば、「科学トリック物語 西園栖(さいえんす)エレキくんの科学事件簿vol.2「怪盗ライトの挑戦状」」にも通じていて、こういうので外れがないな。憎めないし面白い感じがとても良かったです。正直、親分のファンになりました(笑)
公演時間は1時間とやや短め。それだけにちょっとエピソードが少なくも感じました。その一番の不満点としては、ブレーメンへ行く動物たちの「音楽」へのこだわりが見えないところ。ロバのギターも、犬の小太鼓も、ネコとニワトリの美声も、話しの端にちょっと出てくる程度な点。ここで「音楽」を舞台でどう表現するかが「ブレーメン」の肝かなと思っていたので、ちょっと残念でした。
逆に良かった点は、演者たちの全力の頑張り。特に、動物たちの悲しさの表現や他の動物たちとのやりとり、ピエロたちのモチーフをどう表現するかと言うところ、ドロボーたちのわかりやすいものをより大きく見せるところが素晴らしかったです。
歌劇と言うことで、印象に残ったモノも多々。動物たちの「はらへったー」という歌は特に面白かった。食べたいものを次々と思い浮かべて取り上げて幸せな顔の後、現実に戻って「はらへったー」とガッカリするあの落差がとても面白かったです。あと、ドロボーのテーマも耳に残りました(笑)。
演者では、動物たちは見んな印象に残っています。ロバの野崎由真さんは、真っ直ぐな目線が印象的。歌も力強くて良かったです。犬の安川敏貴くんは年齢に似合わず力強い演技で、小さいけども強い猟犬のイメージにピッタリ。ネコの今村美海ちゃんはかわいらしくて印象深いです。特にだんろの上のネコのポーズがお気に入りです。笑顔が素敵。ただちょっと演技がちっこいのと、歌の声量が足りないのが残念。ニワトリの権藤実花さんは、スレンダーですね。声量はよかったと思います。あとは歌ってるときの表情とダンスがよくなるともっと良いかな。
ドロボー3人組も面白かったです。役柄的に、全体的に感情表現は大まかにしなきゃいけないので、繊細な表現はありませんでしたが、アドリブも上手くこなしていましたし、役に最も合った演技をしていたという点で二重丸でしょう。特に荒木論平くんの親分は、体が大きいのに恐がりな感じとか良かったです。大池怜士くんは、歌が良かったなあ。女の子たちよりもよく響く声で、大きく歌っていました。久保川友哉くんも他のメンバーとは違うちょっと冷静だけどおっちょこちょいな兄貴役が面白かったです。
ピエロの女の子5人は笑顔が印象的。特に坂田ゆうきちゃんと青砥光伶ちゃんの笑顔が良かったです。南菜々恵ちゃん、熊野彩花ちゃん、末田織佳子ちゃんたちは小さいのにしっかりと自分の役をこなしているのがわかって微笑ましかったです。
自分の中で舞台「ブレーメンの音楽隊」といえば、おかあさんといっしょのミュージカルが記憶に残っている。その時は中学生か高校生だったか。それでもその世界に引き込まれてしまった。ミュージカルって良いな、と。特に、そのときの歌のお姉さんである茂森あゆみ姉の歌声に心を奪われた記憶がある。ある意味で自分の中の観劇の原点でもあるのかもしれない。だから、「音楽」という点で今回のはちょっと物足りなくも感じたのかも知れない。
しかし、何よりやっているのは子どもたちだ。普通子どもたちが演じたら「学芸会」の延長線上になりかねない。しかし、今回はそんなことは少しもなかった。お金を払って見る「演劇」そのものだったと思う。それだけ演じる側、指導する側の力の入れようが推測できる。それはあの舞台を見た人たち全員が思ったことだと思う。他ではなかなか出来ないことだろう。
今回、児童劇団ぽっとぽっけアトリエ新人公演「ブレーメンの音楽隊」を見ることが出来て本当に良かったと思う。出演した子たちのこれからの活躍も楽しみだ。この舞台にかけた時間が、彼ら彼女らの今後の糧になると良いな。あれだけのものが出来たのだから、尚更そう思う。
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