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加藤九祚「中央アジア歴史群像」(岩波新書)

これ、物語としても面白かったです。取り上げられている地域はイラン・ソグディアナ・カザフ・アフガニスタンと広く、時期もアレクサンドロス東征時代からロシアの南下の19世紀まで。各時代の人物を紹介することで、その時代の空気もしっかり描写されています。
イブン・シーナ チムール バーブルあたりは世界史でも有名ですよね。それ以外にも、ルダギーやアリシェール・ナワイーやマハトゥム・クリなど、日本ではあまり知られていない文人を紹介していて、これがすこぶる面白い。政治史・戦争史は目につくことが多いけれど、このような文人(しかも近代のまで)まで詳しく述べていてとても興味深かったし、中央アジアで生まれた文化の華が(世界にまで)広がる様子がわかって視野を広げることが出来た。
これを端緒に、色んな時代や人物とも繋げられそうなのも良いな。全体的なイメージが出来たから、ここから詳細にいくらでも入っていける感じで、そういう意味でも良書だと思う。