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FMシアター「海を渡る日」感想

高松局制作 2012年9月29日放送
作:北阪昌人、演出:石森康裕、技術:阿部眞理、音響効果:井上直美
出演:忍成修吾 浅野温子 馬渕英俚可 石倉三郎 山粼雄介 篠山輝信 成行公雄 若宮連
香川県三豊市にある子供の守り神として信仰を集める「津嶋神社」を舞台に、一人の若者と、初老の女性、親子、友人たちのふれあいを描く。
脚本の北阪昌人氏はラジオドラマで良く聞く名前。特に平成9年度放送作家協会公募創作オーディオドラマ入選 『水の行方』は印象的だった。
本作の特徴は、多重な人間関係を上手く練り上げ、一つの形に消化している点。様々に絡み合った関係を丁寧に描写し、その上で物語の着地点まで仕上げている。また、それぞれの演じる役所はしっかりと役者によって消化され、生きた人物としてドラマ上で展開。どちらかと言えば色のない主人公(物語的にそれで正解!)を、個性ある脇役達が盛り立てていた。特に石倉三郎と山粼雄介は、典型的なキャラクタではあるが、それを上手く演じていた。あと、浅野温子が初老の女性を演じていたのは驚いたが、とても違和感なく、その心に持つ冷たいわだかまりも上手く表現できていて、後のキャストで聞いて驚かされた。主役の忍成修吾はどちらかと言えば静かな役回り。しかし物語の佳境に、大事にしている人の過去に触れ感情を露わにする場面、そして大事な人と最後に触れあう場面での、感情表現には、思わず心を揺さぶられた。(物語の展開も非常に良かった)
脚本も練ってあったし役者の好演もあった良作。津嶋神社、一度行ってみたいと思いました。