FMシアター 「世界から猫が消えたなら」 感想

2013年7月20日放送
原作:川村元気 脚色:原田裕文 音楽:世武裕子 演出:倉崎憲 技術:西田俊和 音響効果:木村充宏
出演:妻夫木聡 貫地谷しほり 國村隼 大沢逸美 木戸衣吹 達淳一
あらすじ → 世界から猫が消えたなら | NHK オーディオドラマ
出演者インタビュー → 「世界から猫が消えたなら」 | Wスペシャル | WONDER!web | NHK
最初の一人語りやもう一人の自分(悪魔)が出てきたり映画の引用が出てきたところでは「ああ、これはすごく素敵な作品になりそうだ!」と思ったのだけど、昔の恋人など他の人たちが出て来だしたあたりから「ああ、つまらないな。。。」とガッカリ。最後の最後の一人語りで、少しだけ持ちなおした。
つまらないと感じたのは、人と人の心のやりとりに説得力がない点。構成的に「ここはこう」と組み立てられているのに、それが説得力を持っていない。やや独りよがりの感情なのに、登場人物皆がそれに納得している感がどうにも気持ち悪かった。それはそれで出演者の演技の説得力で力技的に持って行くという方法もあるのだけど、今回の出演者の演技にはその力を感じることができなかった。
原作ありの作品なので、原作の方はもっと丁寧に気持ちの動きやそれぞれ登場人物の感情のやりとりを表現しているのかもしれないが、このラジオドラマでは、そういったものを感じ取ることができず、ただただ残念。
最後に出演者の名前を聞いてびっくり。豪華だったんですね。妻夫木聡の演じるもう"一人の自分(悪魔)"はすごくよかった。また、一人語りには説得力を感じた。一方、他の出演者とのやりとりは今ひとつ上手さを感じなかった。貫地谷しほりは元恋人役で出演。貫地谷しほりはテレビでその演技を見ると上手いなあと思っていたのだけど、ラジオドラマである本作では今ひとつ、上手くは感じなかった。いるなあといった感じの役で、それほど存在感がある感じではなかった。