FMシアター「妻の知らない夫のいくつかのこと」感想

2013年2月9日放送
作:梶本惠美 音楽:大島ミチル 演出:小見山佳典 技術:佐藤稔 音響効果:太田岳二
出演:秋吉久美子 赤木春恵 小宮久美子 渡辺瞳 三宅貴大 矢田一路 星野園美 渡辺樹里 山粼千惠子 真以美 田中奈緒子
あらすじ → FMシアター 2013年 放送済みの作品 : NHKオーディオドラマ
FMシアター『妻の知らない夫のいくつかのこと』 | オーディオドラマ | ドラマスタッフブログ:NHK
FMシアター『妻の知らない夫のいくつかのこと』~演出より~ | オーディオドラマ | ドラマスタッフブログ:NHK
秋吉久美子さん、上手いなあ。主人公の「素の自分」「ラジオパーソナリティの自分」「過去の自分」を明確に演じ分け、そして夫の愛人まで演じていた。また展開としても、ラジオパーソナリティ→素→過去→素→ラジオパーソナリティと順序立って行くので、聞いている側も意識して主人公に入っていける。個人的にはラジオパーソナリティの主人公の語りがお気に入り。
主人公と母との関係、主人公と父との関係、そして主人公と夫とその愛人の関係と、つなげていく展開も流れるように鮮やか。とても自然にストーリーに入る事が出来ました。
ただ、ストーリーはあくまでも「妻」の物語。普通に考えると最低な夫ですよね(笑)。ただ、話の中でも少し触れられているように、京都の愛人が主人公によく似ている事、京都の愛人との出会いの方が先であった事、京都の愛人には妻の事を事細かに話していた事、妻には京都の愛人の事を察しさせることもなかったこと、それでも大事にした事などからは十分推測できるのですが、それでもやっぱりダメな夫ですよね(笑) しかし話はあくまでも「妻」の問題として展開。夫の事は媒体を介して出てくるのみで、少し物足りないかも。でも話の主筋をしっかりと立てるという点では、こちらの方が良いのかなあとも、聞いてしばらく立った今では思います。
興味深い作品でした。