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北尾トロ「猟師になりたい」(信濃毎日新聞社)

読了。とても読みやすい。
現代の猟師というものが、こちらがわからあちらがわに行く著者によって、一歩一歩ていねいに綴られている。この本の中では著者は自分ではまだ得物を獲っていないが、少しずつ猟師になっていく。その様子を読者である自分もたどっていく楽しさ。
ただ、途中で娘と語りあう「命を獲るのは残酷か」理論は、ちょっと物足りない。金で買えるものを自分で獲るということはそこに主体的な動機があるはずで、そこに迫らないまま「食べるため」といくのはちょっと欺瞞的で有り純情すぎるだろう。やはり狩猟が「楽しい」というものがあって、それを直視した上で命のやりとりを自覚しないと、単なる子供だましでしか終わらないのではないか。なんて、命のやりとりを間接的にしかしない卑怯者である自分は思ったりもするのだ。
でも、今を生きる猟師自体がとても興味深いと思った。
自分がやるかといえばまずやらないが、現代の猟師を扱った他の作品にも手を出してみるかな。