Berryz工房「夏夏!あなたを好きになる三原則」@大阪厚生年金会館・夜

行ってきました最終公演。
このBerryz工房の夏コンサート。参加はこの一公演のみ。この一公演でBerryz工房の魅力を堪能したい! きっとBerryz工房の皆も、一公演一公演を大事にしているはずだと思い、その成長を見届けるため胸をワクワクさせながら参加しました。
んで、全てを見たあとの感想。観客をこれだけ熱狂させ幸せな気持ちにさせるBerryz工房はやっぱり凄い。公演中も観客の多くは公演に酔いしれ、公演後も興奮冷めやらず、上気した幸せな顔で会場をあとにしていました。この観客の様子こそが全てを物語っていると思いました。
自分の席は2階席右ウイングの親子席。冷静に彼女たちの成長の全てを見届けたいと言う気持ちで臨みました。つまり、彼女たちの歌だったりダンスだったり、表現者としてのパフォーマンスをしっかと受け止めるぞ! との心持ちです。
いよいよ公演開始…。が、そこで見た光景は、僕にとって実に残念なものでした。
夏焼雅ちゃんは、どんな公演でも割と実力通りのパフォーマンスを見せてくれているというイメージでした。歌でもダンスでも。が、実際公演が始まると、雅ちゃんの目が死んでいた。直前の昼公演やこれまでの疲れもあるでしょう。全く表情のない目。暗闇のような雅ちゃんの目に、私の気分は初っ端からドーンと落ち込んでしまいました。ダンスもステップすらまともに踏めず、歌も地声になってしまっている…。
この一公演に賭けてきた私は一気に冷めてしまいました。
劇の内容は正直どうでも良い中身。Berryz工房に夢を見ているヒトは、その夢にこの劇を重ねられるから良いのかもしれないけれど、彼女たち自身の、歌やダンスのパフォーマンスを期待していた私にとっては、味付け程度にもならないもの。それよりもむしろもっと力を入れて欲しいことがたくさんあるのに、何故劇に力を入れるの? って感じでした。
この雅ちゃんの表情のない暗い目を見ると、どうしても他の部分でも粗が見えてきたしまいます。まず一番に目に飛び込んできたのは基本のステップすら踏めていない面々。Berryz工房の持ち歌のステップって、すんごく可愛いのが幾つもあるのに、それらが全く出来ていない。特に菅谷梨沙子はステップにすらなっていない。今まで割としっかりステップを踏んでいたイメージの嗣永桃子ですら、今回は最初から切れがない。唯一、清水佐紀のみがきちんとステップを踏んでいたが、「魅せる」というところまで行っていなかった。ステップ以外の振付も推して知るべし、である。形として全く決まっていなかった。
歌についてもボロボロ。全体的に声が出てないリズムがとれてない。特に、僕は「夏 Remember You」が好きで、特に出だしの部分が好きなんだけど、見事に歌い出しで出遅れていて、椅子から転げそうになった。彼女たちにとって、歌の一曲一曲が大事なものではないのかなと思ったりした。
そして何より彼女たちの心が気になった。本当に、この公演をやりたくてやっているんだろうか。
序盤、ダンスも歌もとても見ていられるものではなかったが、中盤に入り、少し動きがきびきびしてきた。アンコールになると、動きもかなり良くなってきた。
雅ちゃんの目に表情がついてきたのはアンコールの直前ぐらいである。メンバー全体でも、アンコール前後でようやく振付の形が決まってくるようになった。
ステージに長けるようになり編み出した、体力のセーブ法なのかもしれない。それにしても、見る側に明らかにそれとわかるという点では、下手なセーブ法だ。ただ、私が感じた雰囲気的には、彼女たちが観客側の盛り上がりに乗せられてパフォーマンスが向上したようにも見えた。それ自体は別に構わないのだけど、観客をそのパフォーマンスで魅せつけ乗せるのではなく、逆に観客に一方的に乗せられるってのは、表現者としてどうかと思った。っていうか、表現者としての自覚がちょっと足りないようにも感じた。
まあ、会社が決めた公演だし、彼女たちにとってはその程度のものだったのかもしれない。私が勝手にこの公演を大事だと思っていたに過ぎないのかもしれない。(私にとっては、この一公演が、本当に大切な公演だったのだけど)
こんな風に冷めた目線で見てしまったためか、ラストで菅谷梨沙子が目に涙をためてたときには、全くその心境が理解できませんでした。それは、これまでの菅谷のパフォーマンスに、やりきった感が全く感じられなかったから。まあ、菅谷としてはこれまで長いツアーを続けてきたのだし、会場の雰囲気に呑まれた部分もあっての涙なのでしょう。ただ、この公演しか見ていない私にとっては、この涙も置いてけぼりを喰らった感じでしかないのですけどね。
つまり彼女たちにとっては、この一公演も数ある公演の一つでしかなく、しかも内容についても与えられたものをただこなすというものだったのかなと思ってしまったのです。意味不明の涙を流したのは菅谷のみでしたが、全体を通したパフォーマンスからは、この一公演に対する意気込みは僕には全く伝わってきませんでした。
それでも観客の皆さんは満足感に包まれ、幸せそうな顔で会場をあとにしていました。これはひとえに、彼女たちのパフォーマンスではなく、Berryz工房という存在そのものが生み出すものなのでしょう。そう言う意味で、やっぱりBerryz工房は凄い。こんなにも多くの人たちを、その存在だけで幸せにすることができるのだから。
ただ、彼女たちのパフォーマンスはまだまだだし、何より観客に盛り上げてもらっているという時点で力不足が見え隠れしていると思います。彼女たちの持ち歌はどんどん増えたのだけど、彼女たち自身の成長はほんのわずかであったように感じました。
まあ、私が見たのはこの一公演のみですから、他所はわかりません。ただ、この一公演に賭けてきている私みたいな人間もいるし、それに対してあのパフォーマンスというのはかなり寂しいなとは思いました。
きっと私の抱いた彼女たちに対する期待が高すぎたんでしょうね…。残念無念
ただ、熊井友理奈ちゃんの表情に関して言えば、過去どの公演よりもその成長が感じられたことを書き記しておきます。