震撼

心を震わせるモノというのは、対象への思い入れの強さや、そのときの自分の心のポジションで大きく変わる。しかし、心が一度震えたならば、その震えた心の記憶がさらに心を震わせる。感動が感動を生むわけだが、それは以前生まれた感動の劣化コピーかというと全く違う。人間の感覚器で捕らえられる事象は恐ろしく少ない。それがたとえ映像で提供されるという、ごく限られたモノの中だとしても、心のポジションは以前とはわずかにズレている。そしてそのズレが、新たな音であり新たな映像を発見させてくれる。見つけた新たな音も映像も、より新たな心への感触を生み出す。そうすることで、心は次々に様々な感覚に触れ、敏感になっていく。事象から生み出される心の、ほんのわずかなうごめきですら、強く受け止めることが出来るのではないだろうか。
何度目かの、ZONE「FINAL in 日本武道館」ラストライブを見ながら思った。