折り鶴の少女 サダコ

アクティブハカタプロデュース公演Vol.84夏休み平和記念公演第5弾。広島原爆の被害者である佐々木禎子を題材とした朗読劇です。毎年この広島原爆の日に、アクロス福岡1F円形ホールにて開催。男女ふたりによる語りと、キーボード・フルートによる生演奏によって、あの悲劇を強く訴えます。
私は昨年に引き続いての2回目の観覧。DVLの石丸雅理さんと、今年は新人の三木映莉香さんのダブルキャスト。私が見たのは16:30からの三木映莉香さんの回と、19:00からの石丸雅理さんの回。それぞれ60分。平日というのに、沢山のお客さんが公演を見に来ていました。
三木映莉香さんは初めての舞台とは思えない好演。笑顔が純朴で一途だからこそ、後半の悲劇が胸をうちました。今後は「三木映莉香さんらしい」サダコ像を期待したいです。石丸雅理さんは永くこの役を演じているため、すっと演技が入ってきますね。それぞれの演技わけもしっかり出来ており、訴えかける部分が多いです。内容に関する解釈も演技に生きており、自然なものとなっていたように感じました。
一方、朗読劇の難しさというのも見えるかな。基本は朗読であるため、状況説明が言葉によって成される。つまり、朗読部分と演技がきちんと整合が取れているかの部分で、目立つかなと思いました。解釈の部分でもあるのかな。あと、音楽との融合の部分もちょっと気になったかも。一番の盛り上がりの部分で、音楽が強すぎて演技の声が負けていたりした部分があり、生だからこそのバランスの難しさがあるのかなとか思いました。
それでも、彼女たちがこうした公演を続けていくこと、物語を解釈した上でメッセージを伝えていくこと、そしてそのメッセージを受け取ることに大切さがあり、それこそが一番の目的だと考える。伝えようとした人たちだけでなく、メッセージを受け取り涙した多くの観客のひとりひとりが物事を伝える媒体となり、広がりとなる。そういった文化的な輪をこういった形で繋げ、場を提供することの大切さをあらためて感じることが出来ました。
ありがとうございました。
関連URL