あぐら

胡座と書いて「あぐら」と読む。「胡」の字が意味するように、あぐらとは中国を中心とする世界の、野蛮人の風習として見られていた。文明人として正式な座り方は「正座」である。一時、あぐらと正座は文明人と未開の野蛮人を分ける指標でもあった。
しかし、大本の中国では正座はやがて廃れる。椅子に座ることが主になるのである。胡と漢民族の混合も進み、広がり複雑になり、文明はより高みへと進んでゆく。
一方で「正座」は東の島国日本で文明として定着する。日本の中華化。日本を中心とする世界の成立。他を切り捨てることで純化を図り、その試みは成功する。しかしいずれは純化も止まり、停滞から来る腐敗が蔓延する。
単純に「新しい血を入れよ」とは言いたくない。新しいものと交わることから生まれる、より広くて高い認識が欲しい。