NHKスペシャル シリーズ“宗教2世” ドラマ「神の子はつぶやく」

最近ちょくちょく見る、NHKスペシャルを題にもつスペシャルドラマ。
家族の歴史の描写は丁寧で、家族ができるところから、そこに落ち、離散し、また集うまでの経緯をしっかり描いている。
悪くはないけど、ちょっと物足りなくも思った。スペシャルドラマなので描ける時間が少ないというのもある。
宗教二世で教団を離れて世間とのギャップにさらされるることになる長女と、教壇によって救われた一世である母の背景と、神の子である次女。全部描こうとして、どれも物足りなくなってる。ドラマによって見た人を勘違いさせちゃう可能性もある。
緊縛シーンの描写だけが妙に凝ってて、映像を作ってる人はここをこそを描きたいんじゃないかとか思って、でもそれはズレだよなって思った。
演技では田中麗奈が、表情だったり震える手だったり、とても細やかな演技をしていた。出会いの喜び、子供を抱えての生活苦、救いを見出しての喜び、それでも続く困難、家族の無理解と社会の最善で踏ん張っていかないといけない苦悩と踏ん張ってもバラバラになる家族と、すべてを見せる難しい役だが、納得できる演技をしていた。
姉役の河合優実も、その迷いから解放されたかと思ったら開放されていなかった絶望などを、こちらはストーリーラインや演出の協力を得ながらも、しっかり表現していた。
妹役の根本真陽も押し殺した感情を爆発させるところの演技が良かった。
出演:(姉)河合優実 、(母)田中麗奈、 (妹)根本真陽、 (父)森山未來