熊本県立美術館 美術館コレクション4・小企画展「ストーリーズ―物語る版画たち」

先月、ミュージアムセミナーだけ受けたが時間がなく、今回ようやく鑑賞。
メインは​第3室 小企画展「ストーリーズ ー物語る版画たち」になるのかしら。ミュージアムセミナーを受けず、西洋版画の知識がないまま見ていたら「ふーん」で終わったかもしれないが、事前に受けていたのでとても興味深く見ることができた。最初期の版画で、こんなにちっちゃいのに、こんなに緻密で、それが版画なので大量に庶民にくばることができたのかというのが驚きだ。あと、町田市立国際版画美術館からの作品が多く、撮影はできなかったものの、その収蔵の豊富さに驚いた。熊本県立美術館もいい作品をたくさん持っているんだなと再認識もできた。これはセミナーで知ったんだが、近代の本の挿絵は版画なんだなというのを知れたのも良かったし、それで表現されているものの豊かさも凄いなと思った。絵とか版画とかよく区別がついていなかったが、こういう豊富な世界があるのかと、新しい世界を知ることができた。
第1室が幕末の絵画で 第2室近代日本画。熊本に関連する画家たちの作品。解説を読みながら、そういう流れがあるのねというのを知るとともに、系統的に鑑賞できるのも良い。好きだったのは狩野栄信・養信の「親子獅子図」での、獅子のコミカルな表情。崖から子供を落とす例の獅子の図なんだが、特徴的な絵柄が好きだった。赤星閑意の熊本城之図も大作で良かったが、どこから見た図なのかなと。多分今の市役所から見た図かなとか思ってた。歌川国芳の「歌舞伎役者図」も個性的な役者たちが描かれて面白かった。